ながれゆく葦

考えたこと、思ったこと、好きなことについてつらつら書いてゆく備忘録的ブログ。数学、プログラミング、ラノベ、アニメ、小説、音楽などについて。

(五十嵐貴久) 感想(ネタバレあり)

あらすじ

 できなくたっていい。
夢に向かって一歩でも進めればいい。
それだけで、あたしたちは笑える。
人は、変われるんだ。

オーディションは全員合格!? 2011年秋、気仙沼にアイドルグループが誕生した。

実話をもとにした笑いと涙の感動ストーリー

人間はな、諦めなきゃ負けねえんだ。
引きこもりの高三女子・詩織、ミュージシャンの夢破れた三十男・リュー、ヤクザまがいのおっさん・サトケン。震災の爪痕も生々しい気仙沼に、素人ばかりで結成されたアイドルグループ「KJH49」。ほぼ一カ月の猛特訓でデビューステージに立ったはいいけど、「震災の被害者ヅラしたインチキアイドル」とネットは大炎上、早くも暗雲たれ込めて……。
東日本大震災後、気仙沼に誕生したアイドルグループの実話をもとにした、笑いと涙の感動エンターテインメント。(Amazonより)

 

ネタバレあり感想

 Kindoleのセールで見かけ、地元が近かったということで買った。震災をきっかけに無気力的な生活をするようになった女子高生、詩織と、ミュージシャンにあこがれて上京したけど結局地元に帰ってきた春日の視点から、サトケンに振り回されながらのKJHの成長を描く物語。サトケンは田舎にいる全世代的な無茶苦茶な人だと感じたし、途中までは乗って読むことができなかった。でもサトケンは不器用だけど誠実で真っすぐで優しいことに気づいたら物語に入りこめた。話として出来すぎているなと感じる部分も多かったけれども実話をもとにしていると言われれば頷かざるおえない。確かに昔を思い出してみても周りの人たちにずいぶんよくしてもらった。時代はいろいろ移り変わるけれどもサトケンのようにわがままで不器用でも誠実で真っすぐな人が必要なのかなとも思ったり。生きているのが大事、生きているだけで十分っていうのは自分勝手だとは思いつつもやっぱりそうだよなあと思う。夢は叶ったかどうかは結果でしかない、死ぬまで追い続けろとか、長年続けられるだけで才能があるとかサトケンの言葉にははっとさせられることも多かった。最近は結果を求められ、追い続けている感があるのでもっと肩の力を抜いて生きてみてもよいかなあと思った。

 それにしてもこういうのに弱いなあ。アイドルものとか夢とか目標に向かって頑張る系。実話をもとにしていて地元が近いもんだからなおさら…。ありがとうの言葉もイントロだけで本の内容思い出して感極まって聞けてないし…。いつかは絶対聞く。なんとなく、いつもよりちょっとだけ前向きに生きていけそう。こういう系、重松清とか読みたくなった。なるべく誠実に、人に優しく生きていきたいな~。

 

気仙沼ミラクルガール

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