ながれゆく葦

考えたこと、思ったこと、好きなことについてつらつら書いてゆく備忘録的ブログ。数学、プログラミング、ラノベ、アニメ、小説、音楽などについて。

ツナグ(辻村 深月) 感想(ネタバレあり)

内容紹介

 一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。

(Amazonより)

以下ネタバレあり感想

 久しぶりの辻村深月作品。映画化もされた有名作品をいまさら読んだので。(映画未視聴)。設定から重い話もあるんだろうなあと思って読んだら親友の心得が重くて割とグサッときた。他は重い部分もあるけれども最後は感動出来てあったかくなるような内容で面白かった。待ち人の心得が一番好き。

 読んでいて他人とかかわりながら生きるのって難しいなあと思った。特に素直に生きるのが難しい。誰か会いたい人がいないかと思ったけれども幸いにかまだ思いつかなかった。自分が死んだら亡くなってしまった人たちにまた会えると楽観的な考えをしているからかもしれないけれども。会いたい人ができたらよっぽど切羽詰まったときだろうなあと。それぐらいじゃないと他の人がその人に会いたいかもとか、自分以外の人の方がふさわしいなとか考えてしまって遠慮しそう。自分が死んで自分にもう一度会いたいと言ってくれる人がいたらいいなあとはぼんやりと思う。名前を出されてそんな奴もいたなあと思われるくらいがちょうどいいなあとも思う。

 本を読んでなんとなく生きる気力をもらえた気がするので明日からもそこそこ頑張ろうかなあと思う。

 

ツナグ (新潮文庫)

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