ながれゆく葦

考えたこと、思ったこと、好きなことについてつらつら書いてゆく備忘録的ブログ。数学、プログラミング、ラノベ、アニメ、小説、音楽などについて。

君死にたもう流星群(1)(松山剛) 感想(ネタバレあり)

あらすじ

 二〇二二年十二月十一日。それは僕が決して忘れられぬ日。その日、軌道上の全ての人工衛星が落下し、大気圏で光の粒となり消えていった。『世界一美しいテロ』と呼ばれたこの現象にはたった一人、犠牲者がいて…!引きこもりの少女・天野河星乃を救うため、高校生の平野大地は運命に抗う。「まさか読み終わる頃に自分が泣いているなんて考えもしませんでした」「切なさ、絶望、一縷の望みと試行錯誤の日々、さわりだけ読むはずが先が気になってもう止まりませんでした」「この作品を読んで僕も夢を諦めたくなくなりました」発売前から多くの人を感動に巻き込んだ『宇宙』と『夢』がテーマの感動巨編スタート!(「BOOK」データベースより)

 

感想(ネタバレあり)

 有名作家で面白いという評判というのを知っていて、セール中に買った本。予想外に主人公が20代後半で驚いたが読み進めているうちにタイムリープものであることが分かってなるほどなと納得した。正直タイムリープものはハッピーになれる印象が薄いのと主人公の生き方が数年後の自分と重なるような気がして半分くらいまでは読むのが若干辛かった。なんやかんやで適当に手を抜いてそれなりに生きている節があるしなぁ。主人公が意外と熱い人物であることがわかったり、平野と星乃だけの物語ではないことが分かって素直に物語に入り込むことができるようになった気がする。

途中の他人のレビューを気にしていると外れはないけど自分の好きなものにもたどり着けないっていうのはかなりグサッときた。小説とか買うときもレビュー評価低いの敬遠するしなぁ。人の評価でなくて自分が好きかどうかで物事を決めないと。

小学生のなりたい将来の夢の上位に会社員とか公務員とかが食い込むのは改めて考えると病的な感じがする。最近ではYoutuberとかが上位で、会社員や公務員が上位よりも全然健全だと思う。マスコミとかでそういうのが取り上げられてそれに対して否定的な意見とか、笑って受け流すとかそういう反応を見せられると気持ち悪いなあと思うけど。

最後の真理亜が星乃をかばうシーンは自然と胸が熱くなってしまった。ベタだけれどもというかこういうのに弱い。

A×C=P、なるほどなぁ。こういうのはネットの記事とかでもよく見るけれどもこうやって小説でどんな人なのかある程度わかって思い入れが出来上がりつつある人物が言うと説得力が違う。なんとなく信じてみようかなと思える。前向きに人生を歩んでみようかなと思える。

物凄く自分好みの作品なので次も読みたい。予想していたようなタイムリープしてから病的な展開になることもなく、寧ろ前向きに生きてみたくなるような素敵な作品。SF要素もあるのもプラス。後は筑波のJAXAが舞台っぽいので行きたい(行く)。